姿勢の歪みは「正しい姿勢を作る」だけでは変わらない
鏡を見たときに、
「肩の高さが左右で違う」
「骨盤が歪んでいる気がする」
「反り腰になっている」
「猫背だから姿勢を良くしないと」
こんなことが気になったことはありませんか?
最近は姿勢についての情報も多いので、自分の姿勢を見て、
「腰が痛いのは反り腰だからかな?」
「骨盤が歪んでいるから腰痛になるのかな?」
と考える方も多いと思います。
もちろん、姿勢を確認することは大切です。
ただ、
「姿勢が悪い=そこを正しい位置に戻せばいい」
と考えると、少し難しくなることがあります。
なぜなら、今見えている姿勢は、その人が普段どのように身体を使っているかが表れた「結果」かもしれないからです。
「良い姿勢を作ろう」とすると疲れませんか?
猫背が気になるから胸を張る。
反り腰が気になるからお腹に力を入れる。
肩の高さが違うから、左右を揃えようとする。
意識している間は、姿勢が良くなったように見えるかもしれません。
でも、しばらくすると元に戻ってしまう。
むしろ、ずっと意識していると疲れる。
そんな経験がある方もいると思います。
それも当然で、普段の身体の使い方が変わっていないまま、見た目だけを頑張って変えようとしている可能性があります。
例えば、写真を撮る数秒だけなら胸を張って姿勢を良くすることはできます。
でも、それを朝から晩まで続けるのは大変です。
僕は、
「良い姿勢を頑張って作る」のではなく、「自然とその姿勢を取りやすい身体にしていく」
ことのほうが大切だと思っています。
姿勢の歪みは「結果」かもしれません
例えば、立ったときに骨盤が左右で傾いているとします。
これを見て、
「骨盤が歪んでいるから、骨盤を真っすぐにしよう」
と考えることもできます。
ただ、
なぜ骨盤が傾いているのか?
まで考えてみると、見方が変わります。
左右の脚への体重のかけ方が違うのかもしれない。
股関節の使い方が左右で違うのかもしれない。
体幹を左右均等に使えていないのかもしれない。
つまり、骨盤の位置だけを直そうとするのではなく、その姿勢になっている理由を探していくということです。
姿勢を見るときは、左右が均等になっているかどうかも身体の状態を知るひとつのヒントになります。 26年度 リーフレット
「反り腰だから腰が痛い」とは限りません
腰痛がある方でよく聞くのが、
「私、反り腰だから腰が痛いんですよね」
という話です。
確かに、腰が反っているように見えることはあります。
ただ、見た目だけで、
「反り腰=腰痛の原因」
と決めつける必要はないと思います。
反り腰に見えていても、骨盤の使い方が関係している人もいれば、お腹まわりの使い方が関係している人もいます。
同じように見える姿勢でも、身体の状態まで同じとは限りません。
これは猫背や巻き肩なども同じです。
「私は〇〇だから」と最初から原因を決めるより、
実際に身体を動かしたときにどうなっているのか。
そこまで確認したほうが、その人に必要なことが分かりやすくなります。 26年度 リーフレット
姿勢を見るなら、動きも一緒に確認する
姿勢は止まっている状態です。
でも、日常生活ではずっと止まっているわけではありません。
歩く。
座る。
立ち上がる。
しゃがむ。
身体をひねる。
物を持ち上げる。
こうした動きを何度も繰り返しています。
だから僕は、姿勢を見るときに「立っている姿勢」だけで判断しないようにしています。
例えば、立っているときには左右差があまりなくても、しゃがんだ瞬間に片側へ大きく身体が傾く人もいます。
身体をひねってみると、右には動くけど左には動きにくい人もいます。
前にかがむと、股関節ではなく腰ばかり動いていることもあります。
止まっている姿勢だけでは分からなかったことが、身体を動かすことで見えてくることがあります。
姿勢を整えるために、筋肉をつければいい?
姿勢が悪いと、
「筋力がないから姿勢が崩れている」
と言われることもあります。
もちろん、身体を支えるためには筋力も必要です。
ただ、筋肉を増やせば必ず姿勢が整うわけではありません。
筋力があっても身体の使い方に左右差があれば、姿勢にも左右差が出ることがあります。
逆に、強い負荷の筋トレをしなくても、身体の使い方が変わることで姿勢が変わる人もいます。
大切なのは、
筋力が足りないのか。
動きが硬いのか。
身体の使い方に問題があるのか。
まずはそこを確認することです。
そのうえで筋力が必要なら筋トレをする。
動きが必要なら身体を動かす。
左右差が大きいなら、左右の使い方を整える。
姿勢を見ながら、その人に必要な運動を選んでいきます。
「正しい姿勢」にこだわりすぎなくてもいい
そもそも、一日中ずっと同じ姿勢でいることが正解とも限りません。
座っているときも、立っているときも、身体は少しずつ動いています。
疲れたら姿勢を変える。
体重をかける場所を変える。
座り直す。
そうやって身体は自然に負担を分散しています。
だから、
「背筋を伸ばして、この姿勢をずっとキープしないと」
と考えすぎなくてもいいと思います。
大切なのは、ひとつの「正しい姿勢」を頑張って守り続けることより、
必要なときに身体を動かせること。
そして、同じ場所ばかりに負担をかけないことです。
姿勢が気になるなら「形」だけではなく「動き」を見る
鏡を見て、
「骨盤が歪んでいる」
「肩の高さが違う」
「反り腰になっている」
と気づくことは、身体を見直すきっかけになります。
ただ、そこで終わらず、
「なぜこの姿勢になっているんだろう?」
まで考えてみてください。
股関節は左右同じように動くのか。
身体をひねったときに左右差はないか。
しゃがんだときにどちらかへ傾かないか。
体幹をうまく使えているか。
姿勢だけではなく動きまで確認すると、自分の身体に必要なことが少しずつ見えてきます。
姿勢の歪みを見つけたら、無理やり「正しい形」に戻す。
ではなく、
その姿勢になる身体の使い方を変えていく。
姿勢を整えたい方も、腰痛を繰り返している方も、「見た目の姿勢」だけではなく、その姿勢をつくっている身体の動きにも目を向けてみてください。
