腰痛だから腹筋?腹筋だけを鍛えても変わらない理由
腰痛があると、
「腹筋が弱いんじゃない?」
「体幹を鍛えたほうがいいよ」
と言われることがあります。
実際に腰痛を良くしようと思って、腹筋運動やプランクを始めたことがある方もいると思います。
腹筋を鍛えること自体は悪いことではありません。
ただ、
「腰痛がある=腹筋が弱い=腹筋を鍛えればいい」
と考えると、少し単純すぎるかもしれません。
腰は、腹筋だけで支えているわけではありません。
体幹、背骨、股関節など、いろいろな場所が一緒に働きながら身体を動かしています。
腹筋を頑張っているのに腰痛が変わらない。
そんな方は、「腹筋をもっと鍛える」以外のところにも目を向けてみてください。
そもそも「体幹=腹筋」ではありません
「体幹トレーニング」と聞くと、腹筋をイメージする方が多いと思います。
プランクをしたり、仰向けで上半身を起こしたり。
もちろん、これらも体幹トレーニングです。
ただ、僕が考える体幹はもう少し広く、
「手足を除いた胴体」
と考えています。
お腹だけではなく、背中や腰、胸なども含めて体幹です。
そのため、体幹を鍛えることと腹筋だけを鍛えることは、少し意味が違います。
そして体幹トレーニングにも、プランクのように姿勢を保つものだけではなく、背骨を丸める、反らす、ひねるといった動きを使うものや、身体の細かい部分を整えていくような運動もあります。 25年度 リーフレット
「体幹を鍛えましょう」と言われても、全員が同じ腹筋運動をすればいいわけではないんです。
腹筋が強くても、腰に負担がかかることはあります
腹筋が強ければ腰痛にならない。
もしそうなら、腹筋をたくさん鍛えている人は腰痛にならないはずです。
でも、実際の身体はそんなに単純ではありません。
大切なのは筋力だけではなく、
その筋力を身体の動きの中でどう使えているか。
例えば、物を持ち上げるとき。
しゃがむとき。
椅子から立ち上がるとき。
歩くとき。
こうした動作では、お腹だけではなく、背骨や股関節なども一緒に動いています。
腹筋に力は入るけど股関節がうまく動かない。
身体をひねるときに背骨がほとんど動かない。
身体の左右で使い方がかなり違う。
こうした状態であれば、腹筋だけを強くしても腰への負担が思ったように変わらないことがあります。
だから、筋肉を強くすることと、身体をうまく使えるようにすることは、分けて考えたほうがいいと思います。
腰痛でも股関節を見る理由
腰痛の方を見るとき、僕は股関節もよく確認します。
なぜ腰が痛いのに股関節を見るのか。
身体を曲げたり、しゃがんだり、歩いたりするときには、腰だけではなく股関節も一緒に動くからです。
例えば、床にある物を取るとします。
このとき股関節がうまく動けば、股関節と体幹を使いながら身体を前に倒すことができます。
でも、股関節がうまく動かなければ、その分を腰の動きで補うことがあります。
1回だけなら大きな問題にならなくても、日常生活の中では同じような動きを何度も繰り返します。
物を取る。
靴を履く。
掃除をする。
立ったり座ったりする。
そう考えると、
腰痛だから腰だけを何とかするのではなく、腰が頑張りすぎている理由を探す。
という考え方も必要になってきます。
背骨は「固める」だけではなく「動く」ことも必要です
腰痛のために体幹トレーニングをしている方を見ると、身体を固める運動が中心になっていることがあります。
代表的なのがプランクです。
プランクは身体を支えるためのトレーニングとして使えます。
ただ、日常生活では身体をずっと固めているわけではありません。
背中を丸める。
身体を反らす。
左右にひねる。
歩く。
振り返る。
こうした動きも必要です。
そのため、体幹トレーニングにも、
「身体を安定させる運動」と「身体を動かす運動」
の両方があっていいと思います。
身体を支えることはできるけど、背骨を動かすのが苦手。
反対に、身体はよく動くけど支える力が弱い。
同じ腰痛でも、この2人に必要な運動が同じとは限りません。
腹筋運動で腰が痛いなら、我慢して続けない
「腰痛には腹筋がいい」と聞いて腹筋運動を始めたけど、腹筋をすると腰が痛い。
それでも、
「腹筋が弱いから痛いんだ」
と思って我慢して続けてしまう方もいます。
でも、痛みを我慢してまで続ける必要はありません。
腹筋運動にもたくさん種類があります。
上半身を起こす運動。
脚を上げる運動。
身体をひねる運動。
プランクのように姿勢を保つ運動。
同じ「腹筋」でも身体への負担は違います。
ある腹筋運動で腰が痛いからといって、腹筋を鍛えてはいけないということでもありません。
今の身体に、その運動が合っていない可能性を考えてみる。
痛みを我慢して回数を増やすより、運動方法を変えたほうがいい場合もあります。
「どこを鍛えるか」より「どう動いているか」
腰痛になると、
「どこの筋肉を鍛えればいいですか?」
と考えたくなります。
腹筋なのか。
背筋なのか。
お尻なのか。
もちろん、筋肉を鍛えることは大切です。
ただ、それと同じくらい、
「自分の身体がどう動いているのか」
を確認してほしいと思います。
前にかがんだときに、腰ばかり丸くなっていないか。
しゃがんだときに、股関節は動いているか。
身体をひねったときに、左右で大きな差がないか。
腹筋に力を入れたときに、呼吸まで止まっていないか。
こうしたところを見ると、
「腹筋が弱いから腰が痛い」
だけでは説明できない部分が見えてくることがあります。
腹筋を鍛えても変わらないなら、もう少し広く身体を見る
腰痛に対して腹筋を鍛えることが間違いというわけではありません。
腹筋や体幹の力が必要な人もいます。
ただ、何ヶ月も腹筋を続けているのに腰痛が変わらないのであれば、
「腹筋が足りないから、もっと腹筋をしよう」
と考える前に、一度身体全体を見直してみてもいいと思います。
股関節は動いているか。
背骨は動いているか。
身体を支えることはできるか。
左右で使い方に違いはないか。
そして、日常生活の中で腰ばかりに負担が集まっていないか。
腰痛だから、腰や腹筋だけを見る。
ではなく、
「なぜ腰に負担がかかっているのか?」を身体全体から考える。
そのうえで腹筋が必要なら腹筋をする。
股関節の運動が必要なら股関節を動かす。
背骨を動かしたほうがいいなら、その練習をする。
同じ腰痛でも、必要な運動は人によって違います。
腹筋を頑張っているのに腰痛がなかなか変わらない方は、「どこを鍛えるか」だけではなく、**「身体をどう使っているか」**にも目を向けてみてください。
