「首を後ろへ引いて」そう言われても動かせない…その理由とは?
「首を後ろへ引くように意識してください。」
整形外科やリハビリで、このようなアドバイスを受けたことがある方もいるかもしれません。
先日、お客様からこんな相談を受けました。
「動かしているつもりなのに動いていないと言われる」
整形外科で首の痛みに対するリハビリを受けた際、首の運動と日常生活での意識について指導を受けたそうです。
その中で言われたのが、
「首を後ろへ動かせるようにしましょう。」
というアドバイスでした。
しかし、お客様は一生懸命動かしているつもりでも、
「まだ動いていませんね。」
と言われてしまいます。
宿題として続けるように言われたものの、
「そもそも、どう動かせばいいのかわからない。」
という状態になってしまったそうです。
実際に動きを確認してみると…
首の動きを確認してみると、原因はすぐに分かりました。
実は、お客様の首は最初からほぼ垂直の位置にあり、すでに十分後ろへ引けている状態だったのです。
つまり、
これ以上後ろへ引こうとしても、動く余地がありませんでした。
動いていないのではなく、「動かせる範囲が残っていなかった」ということです。
首だけではなく、背中の動きが必要だった
首は単独で動いているわけではありません。
背中や肋骨、肩甲骨などと連動しながら動いています。
そこで今回は、
まず背中を少し丸める
↓
頭が自然に前へ出る
↓
その状態から首を後ろへ引く
という順番で動いてもらいました。
すると、
「こういうことだったんですね!」
と、すぐに感覚をつかむことができました。
首だけを頑張って動かそうとしていたときよりも、ずっとスムーズに運動ができるようになりました。
文章だけでは少しイメージしにくいかもしれませんが、ご本人は「ようやく動かし方が分かった」と納得されていました。
首だけを意識すれば良いわけではありません
首の状態を整えるためには、もちろん首の運動も大切です。
しかし、首はとてもデリケートで複雑な構造をしています。
例えばストレートネックと言われたからといって、
「とにかくあごを引けばいい」
というわけではありません。
実際には、あごを引きすぎることで首のバランスが崩れ、肩こりや腕の痛み、しびれなどにつながる場合があります。
また、首の前側の組織が圧迫されることで、二重あごのように見えてしまうケースもあります。
大切なのは、「首を真っすぐにすること」ではなく、首が自然に動ける状態をつくることです。
身体はつながっています
首の動きには、
- 背中
- 肋骨
- 骨盤
- 肩甲骨
など、さまざまな部位が関係しています。
そのため、頸椎ヘルニアやストレートネックなどによる不調を改善していく際も、首だけを繰り返し動かすのではなく、身体全体の動きを整えることが大切です。
「言われた通りにやっているのにうまくできない」
そんなときは、努力が足りないのではなく、身体の準備が整っていないだけかもしれません。
運動は「何をやるか」だけではなく、「どんな順番で動かすか」も同じくらい重要です。
身体全体のつながりを意識しながら、無理なく整えていきましょう。
